クロス・クラスター・マッピング・プロジェクト(CCMP)―より良い組織調整へ
JENは、ハイチにて活動を開始した2010年3月から、レオガンとグランゴアーブ地域で活動している他の団体との調整会議に参加してきました。
UNOCHA(国連人道問題調整事務所)主催によるこの調整会議は、その活動内容のセクター(水、住居関係、教育、医療、保障、他)によって、各クラスター(分野)に分けられています。調整会議の目的は、各セクターの進捗に関する情報収集・調整・普及を行うことよって、最も支援が必要な人たちに支援が届くようにすることです。
JENは、そのプロジェクトの内容から、主に水・衛生環境(WASH)クラスターにて、重要な団体として認識されています。中でも特に手押しポンプや衛生促進キャンペーンなどに力を入れています。
しかし、人道支援参加団体の多様化とプロジェクトが複雑化し、支援調整を難しいものにしています。WASHクラスターでは、同じセクターで活躍する多くのNGOが発信する最新情報にアクセスしやすい仲介システムがないことが原因として考えられます。
現行のシステムでは、団体の任意参加による情報交換が行われています。未だに紙媒体で情報を集約しているため、必要な情報の取得・分析が困難なのです。このプロセスが複雑なことから情報提供をあきらめる団体が多く、同じ地域内の各団体がどこで何をしているのかがわからない状態が続いています。
JENは、同じNGOであるSASHと共に、クロス・クラスター・マッピング・プロジェクト(CCMP)という、グーグルアースという地図のソフトウェアを利用した、使いやすい仲介ツールをつくりました。
CCMPでは、、地図上で住居関係、教育、医療のクラスター内で現在行われている、または予定されている各団体の活動を一覧できます。ひとつの地図に全ての活動を表示することによって、プロジェクトの重複や、逆に手が行き届いていない地域が一目でわかるため、団体間の調整・協力が効果的に行われ、計画段階での時間の短縮とプロジェクトの質の向上が実現します。また、活動内容の重複を阻止し、より透明で明確な情報共有を行うことによって、地方自治体とのより良い関係構築にも貢献します。
第一次マッピングプロジェクトは、ハイチのレオガンにて2011年5月15日から7月15日まで試験的に実施を予定しています。この試験プロジェクトが成功した際には、このツールがハイチ全体の調整のために利用されることになります。