« 新しいスタッフの紹介! | トップページ | 【速報】大地震を受け、支援に向けた準備中 »

2011年3月10日 (木)

主体性を持つことの大切さ

 ジェンは2010年1月の震災直後からハイチで活動をしています。貧困や災害、政情不安や治安悪化など、たくさんの問題に悩まされてきたハイチ。問題解決のためには国際社会からの手助けが必要です。しかし、この国際社会からの貢献が人々を国際支援に依存させることになっては元も子もありません。誰であれ、ハイチの自立を手助けしたいと思う場合には、ハイチの人々の主体性を育てながら活動することを忘れてはいけません。110310_community_meeting_on_handove

 私たちはまさに今、人々に主体性を持ってもらおうと奮闘しています。現在ジェンは、地震で被害を受けたり、適切な水路がないなどの問題を抱え、人々の健康に悪影響を及ぼしていた給水施設を修復しています。物理的な支援だけでなく、それぞれの地域のコミュニティーを巻き込んで、衛生促進や給水施設運営に取り組んでいます。

110310_cleaning_demonstration  ジェンはプロジェクト開始から給水施設の引き渡しまで、コミュニティーからボランティアを募り、実際に施設を利用する人々が主体的に行動するよう呼びかけています。この施設は自分たちが利用するだけでなく、継続して利用できるよう維持・管理することも自分たちの責任だと思ってもらうためです。

 修復完了後には施設を利用する人々に集まってもらい、ジェンのスタッフや、無給で衛生促進に努めてくれている衛生促進ボランティアが、水場を清潔に保つことの重要さ、また、給水施設維持管理委員会の役割について説明します。その後、一輪車やデッキブラシ、スコップなどを含む、施設を清潔に保つための維持管理キットを配布します。

 こういったアプローチの目的は、地域の人々を巻き込むことによって将来的に持続可能なシステムを作ることだけではありません。給水施設を適切に維持し、施設周辺を衛生的に保つことによって、コレラを含む下痢などを引き起こす病気や、水が停滞して蚊が増えた結果増加するマラリアなどの病気を減らすことにもつながるのです。

 110310_cleaning_kit_training 人々は将来の維持管理に意欲を示しています。ひとりひとりの決意は小さいかもしれませんが、私たちが目指す、地域の人々の自主性育成の最初の一歩を踏み出せたのではないかと思います。

 ハイチ事務所長 アズマット・アリ

3月 10, 2011 ハイチ |