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2011年1月27日 (木)

ハイチ、グランゴアーヴのレンガ職人、Ti´Georges!

 ジョージ・ゼフィーは50歳、8人もの子どもの父親で、強く、誇り高いハイチ人です。彼にTi´Georgesというニックネームがついていることは不思議に思われるかもしれませんが、(“Ti”は“小さな”という意味です)彼の名前の前にあるこの“小さな”という形容詞の親しみやすさは彼そのものであり、とても良く似合っています!
彼と知り合ってもう8カ月以上が経ちますが、どんなに苛酷な状況でも、年を重ね、日焼けしたその顔に笑顔を絶やすことはありません。

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  (写真真ん中がTi´Georgesです)

 彼の仕事であるレンガ作りは、灼熱のハイチでは最も困難な仕事で、しかもそんなに稼げるような仕事ではないように思います。
 彼は2人の助手と一緒に、砂を動かす作業に一日に少なくとも10時間は費やします。これはレンガを作るために、砂とセメントと水を適切な硬さに混ぜ合わせる前に必要な作業です。便利な機械などはないので、セメント袋と砂の入った手押し車、そして水の入ったバケツを人力と熱意だけで日に何度も作業場に運んでいるのです!

 次は完全なる手作業での“混ぜ”の段階です。これが十分でなければレンガは作れません。もちろんレンガを成型する機械もなく、古くて錆びた職人道具と、彼らの筋肉だけが頼りです。110127_samuel_jean_joseph_in_acti_2

 きちんと成型され、圧縮された出来立ての新しいレンガは日干しされるのですが、十分に乾かすために4回も動かさないといけません。グランゴアーヴのメイン通りに十分なスペースがない上に、物流上の理由も加わり、25個ずつの山を作るためにまた運ばなければならないのです。

 一山の値段が0.625ドルで、Ti´Georgesのチームが作れるのは一日に250~300。ということは、最高で一日に187.5ドルの収入が期待出来ますが、そこから材料費などが差し引かれるので、最終的に手元に残るお金は、決して彼らの汗に見合うものではないと思います。

 レオガン地区の井戸の修復に使う150個のレンガを購入するため、JENの建設スタッフはほぼ毎朝6時30分頃に山積みの日干しレンガの前に立ち寄ります。そしていつもそこにはTi´Georgesがいてくれるのです!笑顔と強靭な筋肉と共に。

 昨年の7月、私は人道援助従事者として1つの必要な決定を下しました。それは、レンガ作りを首都・ポルトープランスのレンガ工場に頼むのではなく、地元の職人にお願いしたことです。つまりJENの得意先として選んだのがTi´Georgesであり、彼は私が最も誇りに思う人物なのです。

 これからもこのチームにふさわしい仕事が増え、彼らと彼らの家族が生活していけることを願っています。

 ロマーン(プログラムオフィサー)

1月 27, 2011 ハイチ |