子どもたちから学ぶ防災教育
ようやく、69の学校の生徒が参加した全17回の防災ワークショップが終了しました。今回は、パダン・パリアマン県の被災地域に住む学校の子どもたち、学校運営委員会(現地のPTAに相当)のメンバー、そして教師たちに対する防災ワークショップを開催した、ジェン・スタッフからの報告です。
一カ月間にわたって開催した17のワークショップ。17ヶ所の異なる場所で学校の子どもたちの面倒をみることは、容易なことではありませんでした。子どもたちの中には、いたずら好きな子や、人見しりをする子もいました。それでも、そのやんちゃな行動やジェスチャーによって、ワークショップ会場の重い空気が変わり、参加者の間に大きな笑いが広がることもありました。私たちはワークショップの期間中、そのような場面を数多く目にしました。また、時には、これらの無邪気な子供たちによって、私たちが知らないことについて考えさせられ、学ぶべき新たな発見がありました。
ワークショップでは、教師と生徒のグループが、学校と避難経路の地図を作成しました。地図を作った後、グループの中の一人が、参加者全員に説明をします。
ある時、教師が「ドロップ・カバー・アンド・ホールド(机の下に隠れ、体を丸めて机にしっかりつかまる)」法について説明していると、一人の生徒が次のように質問しました。
「先生、もしテーブルの下に隠れて、そのテーブルが十分に丈夫でなかったら、屋根のがれきがテーブルを壊して、僕たちは簡単に死んでしまうよ。」
この質問に対しては、誰も答えられませんでした。やがて一人の教師が、「机をもっと丈夫にするよう、役所に頼みましょう」と答えました。
教育省は、学校の備品は充分強度があるものにすべきであり、また、災害はいつでも襲ってくる可能性があるということを認識する必要があります。私たちは教育省への報告書に、この生徒から受けた指摘を盛り込みました。
3月 25, 2010 インドネシア スマトラ沖緊急支援防災訓練・教育 | Permalink