サイクロンの傷跡
現在、シェルターの配布を進めながら、今後必要となる支援に関して調査を行っています。ニーズ調査において、サイクロン自体についても聞き取りをしています。
子ども4人を失った38歳の男性は、毎日、息子たちが亡くなった場所へ行って悲嘆に暮れているそうです。10人の家族を失った25歳の女性は、サイクロンのことを尋ねると泣きだしてしまい、それ以上インタビューを続けることができませんでした。36歳の女性は、食事のときに亡くなった子どもの好物を思い出し、涙が出てしまうと言っていました。
この調査結果をとおして、普段は気丈に振舞っている彼らがこれほどまでにサイクロンのことを思い出して涙を流していることを知りました。想像はしていたものの、改めてサイクロンの被害の大きさを実感した瞬間でした。調査対象の村すべてに対して支援することは難しく、そのことを村人に伝えると、「たとえ支援が届かなくても、それは仕方がない。むしろ、こうして自分たちのことをよく聞いてくれたことを嬉しく思う」と言います。被災者に耳を傾けることの重要性を再確認し、調査結果を生かした支援を継続したいと考えています。